松文様
松の緑色は常盤色(ときわいろ)であることから常盤木と呼ばれ、また、千年の齢を保つとして吉祥樹としてされてきたことから松文様はめでたいときに使うだけでなく季節を選ばず一年中用いられる文様です。日本でも縁起物として定着している「松竹梅」は中国では古くから「歳寒三友」(さいかんさんゆう)と呼ばれ精神的に理想のものとして喜ばれてきました。
このように古来から親しまれてきた松には様々な形の文様が生まれています。屏風画などに力強く描かれている「老松」やまだ生長していない「若松」・「松葉」・「松毬」・松葉と他の落ち葉が風に吹かれて一隅に寄せられた姿を意匠化した「吹き寄せ」などがあります。また、家紋にも多く取り入れられていて松に由来する家紋は八十数種あります。
参考文献
日本・中国の文様事典 (みみずくアートシリーズ) / 和の意匠にみる文様の名の物語 / きもの文様図鑑―明治・大正・昭和に見る