菊文様(きく)
菊は秋を古来より代表する植物で、桜とともに日本人に非常に好まれている花です。菊は中国が原産で奈良時代に薬草として日本に伝来しました。中国では「仙花」と呼ばれ薬の力を持つと言われています。日本でも中国の習慣「重陽の節句」に倣って菊花の宴を開き長寿を願い菊自体を鑑賞の対象とするようになりました。
文様としての意匠化は平安時代から鎌倉時代に見られ、料紙や工芸品に盛んに用いられました。室町時代には日本を象徴する秋草の意匠の一つとして扱われるようになりました。鏡や甲冑にも多く菊文が用いられましたがこれは菊水伝説から来る不老長寿の願いを込めた瑞祥としての文様として用いたことに由来します。
江戸時代には観賞用としての菊の品種改良が進みそれに伴い菊の文様も野菊や大輪の菊まで様々な意匠化がなされました。
菊と言えば皇室のご紋を思い浮かべますが、これは鎌倉時代後期に後鳥羽院が菊文様を用いそれ以後皇室の御紋章となったと言われています。近世では大正十五年に法令によって「十六弁八重表菊形」が正式に御紋章として制定されました。
参考文献
日本・中国の文様事典 (みみずくアートシリーズ) / 和の意匠にみる文様の名の物語 / きもの文様図鑑―明治・大正・昭和に見る
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菊文様01
乱菊文様の雰囲気で大輪菊とその背景に抽象化された菊の花の文様を散らしました。
菊文様パーツ
いくつか描きためた菊文様用の花のパーツをEPSファイルで掲載します。素敵な自作和柄素材としてご活用下さい。掲載した線画パーツはアウトライン化していませんので、ご自由に線幅等変更して素敵な和柄にアレンジしてください。
下の菊線画を和柄パーツとして1ファイルにまとめています。 ダウンロードは文様素材ダウンロードのページ に掲載しています。
暮らしの中の菊文様
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